イーサリアムの歴史を知りたい!
イーサリアムの今後のアップデートが気になる。
イーサリアムの価格は上がるの?
このような悩みにお答えします。
仮想通貨を軸に、生活しています。
今までの投資経験とリサーチスキルをいかして、記事をまとめてみました。
よかったら参考にしてみてください。
イーサリアムとは?
イーサリアムとはスマートコントラクトの機能を実装した、分散型アプリケーションのプラットフォームです。
ビットコインが「管理者のいない通貨」だったのに対し、イーサリアムは「管理者のいないアプリケーションのプラットフォーム」ということになります。
イーサリアムはヴィタリック・ブテリン氏によって考案されました。
スマートコントラクトが実装されているので、イーサリアムチェーン上でDeFiやNFTを展開できます。
スマートコントラクトのデータは、全てブロックチェーン上に記録されるので、コピーや改ざんが難しくなっています。
今回はイーサリアムのアップデートに焦点をあてます。
イーサリアムの過去のアップデート
イーサリアムはローンチ当初から、いくつかの大型アップデートを視野に入れて、開発されてきました。
現在、イーサリアムは、「ガス代の高騰」や「処理速度の低下」といった、スケーラビリティ問題に悩まされています。
スケーラビリティ問題は、大型アップデートが全て完了することで、解決すると言われています。
イーサリアムは過去に4回、主要な大型アップデートが実行されてきました。
それぞれのアップデートの名称は、以下のとおり。
- フロンティア
- ホームステッド
- メトロポリス
- セレニティ
イーサリアムの誕生の歴史と一緒に解説します。
2013年11月27日「ホワイトペーパーの発表」
- ヴィタリックによるイーサリアムの「ホワイトペーパー」の発表
- 当時ヴィタリックは、19歳の大学生
2014年4月1日「イエローペーパーの発表」
- ギャビンウッド博士による、イーサリアムのスマートコントラクトを定義した「イエローペーパー」の発表
- ギャビン博士はポルカドットの創始者
2014年7月22日「イーサリアムの販売開始」
- 仮想通貨イーサリアムの販売が開始
2015年7月30日「フロンティア」
- フロンティアは「未開拓地」という意味
- 実験段階のリリース
- マイニングやアドレス間での資金移動がスタート
- ブロックチェーンへの記録の機能は、まだ実装されていない
2016年3月14日「ホームステッド」
- ホームステッドとは「開拓地」という意味
- プラットフォームとして、イーサリアムが本格的に始動
2017年「メトロポリス」
- メトロポリスは「都市」という意味
- 第1弾の「ビザンチウム」と、第2弾の「コンスタンティノープル」に分けられる
2017年10月16日「ビザンチウム」
- マイニングの難易度や報酬の調整 → 決済時間の短縮化
- プライバシー保護の強化
2019年2月28日「コンスタンティノープル」
- コストの削減、処理速度の調整
- 次のアップデート「セレニティ」の PoW → PoS に移行する準備段階
2020年「セレニティ」
- セレニティは「安定」という意味
- セレニティはアップデートの内容が多いことから、「フェーズ0」「フェーズ1」「フェーズ1.5」「フェーズ2.0」の、さらに4段階に分かれている
2020年12月1日「フェーズ0」※ 実施済み
- PoSで中心となるブロックチェーン、ビーコンチェーンの実装
- 最初はPoWと並行して稼働
2021年予定「フェーズ1」※ 未実施
- シャードチェーンの実装
2021年予定「フェーズ1.5」※ PoSへの移行だけ実施
- PoSへの移行
- シャードチェーンのメインネット稼働
2021年予定「フェーズ2.0」※ 未実施
- シャードチェーンの正式稼働
2022年9月6日「The Merge」
- The Mergeとは「統合」という意味
- PoWのチェーンと、PoSのチェーンを統合するアップデート
- イーサリアムの稼働にかかる消費電力が、99%以上削減される
- 第1フェーズ「ベラトリックス」と第2フェーズ「パリ」から構成される
第1フェーズ「ベラトリックス」
- ビーコンチェーンを元のイーサリアムチェーンに統合
- ブロック生成ができるようになる
第2フェーズ「パリ」
- PoWが終了
- 完全にPoS版のイーサリアムチェーンが稼働
※ The Mergeはセレニティの「フェーズ1.5」にあたります。
※ シャードチェーンはまだ実装されていないなど、各「フェーズ」のアップデートの内容や時期が変更されています。
「The Mergeが完了した時点で、イーサリアムはおよそ55%の進捗である」とヴィタリックは言っています。
イーサリアムの予定されているアップデート
イーサリアムの2023年以降のロードマップは、
- The Surge
- The Verge
- The Purge
- The Splurge
以上、4つのアップデートが予定されています。
https://twitter.com/milesdeutscher/status/1550315295402668032?s=20&t=PXRjjC3Q0VS4K781LYF5yQ より引用
1つずつ理由とともに、解説します。
The Surge
「The Surge」はデータの処理方法のアップグレードです。
2023年から段階的に実施されます。
具体的には、プロトダンクシャーディングが実装されさます。
プロトダンクシャーディングとは、ロールアップとシャーディングを組合せたものです。
「ロールアップ」と「シャーディング」について、解説します。
ロールアップ
メインチェーン(レイヤー1)の外部で、トランザクション処理をするレイヤー2の技術になります。
レイヤー1外で処理されたトランザクションのデータを、クルクルっとひとまとめにして、レイヤー1に提出する仕組みから、そう言われています。
ひとまとめにしているので、レイヤー1でのデータ保存のスペースも少なくて済みます。
ロールアップの手順は、
- レイヤー1の外部でトランザクションを実行
- ①のトランザクションデータを抽出、そして圧縮
- ②で圧縮されたトランザクションデータを、ひとまとめにしてレイヤー1へ提出
- レイヤー1に実装されているスマートコントラクトで、提出されたデータが正しいかどうか検証
- 正しければレイヤー1のブロックに取り込まれる
例:友達とランチをした時の会計
一人一人別々にレジで会計するかわりに、一人が全員分のお金を集めて、まとめて支払うようなもの。一人一人相手にするより、お店側の手間も少なくなります。
シャードチェーン
プロトダンクシャーディングが実装されると、中央集権的なシステムにたよらず、分散性を維持したまま高度なスケーラビリティを実現することができます。
The Verge
「The Verge」はデータの保管方法のアップグレードです。
イーサリアムは「32 ETH」もっていれば、誰でもバリデーターになれる「分散的な世界」を目指しています。
多くの人がバリデーターになるには、ノードの軽量化が必須です。
今はMerkle treeという、データ構造をとっています。
- Merkle treeとは、データを格納するツリー構造のこと
- どんなに大きなデータ・どんなに多くのデータを入力しても、一定のデータ長になるハッシュ関数が利用されている
https://cointelegraph.com/explained/merkle-trees-vs-verkle-trees-explained より引用
これをVerkle Treeに置きかえると、ノードが軽量化されます。
- Verkle Treeとは、Merkle treeのアップグレード版
- Merkle treeより、はるかに大量のデータを保管することができる
https://cointelegraph.com/explained/merkle-trees-vs-verkle-trees-explained より引用
Verkle Treeにアップグレードされることで、具体的にWtness dataが圧縮されます。
Merkle treeとVerkle Treeについては、下記の記事が参考になります。英語なので、DeepLで翻訳しながらどうぞ。
The Purge
「The Purge」は過去の取引データの圧縮です。
イーサリアムチェーンに記録されるデータは、取引されるごとに増えていきます。
このままデータが肥大化しながら、世界中の人がノード運営に参加するのは、少し無理があります。
解決策として、「ノードは過去のデータを保持しなくてもいい」というアイデアがあります(EIP-4444)。
※ 最低でも過去1年間のデータを保持すれば、バリデーターノードとして機能するようになります。
ただし、まだアイデア段階。詳しい実装方法など、決まっていません。
The Splurge
「The Splurge」は上記3つのアップデートに含まれない、いくつかの重要なアップデートです。
それぞれアップデートの内容も、時期もバラバラです。
- スマートコントラクトウォレッ トをプロトコルレベルで実装
- レイヤー2を拡張したレイヤー3の実装案
などがあります。
以上、イーサリアムにはあと4つの、アップデートが予定されています。
イーサリアムのロードマップはこれまでも変更が多かったので、予定どおり進むとは限りません。今後の動向を要チェックです。
イーサリアムの価格予想
shiii miiはイーサリアムの価格は、今後上がっていくと思っています。
ビットコインの時価総額を、超える可能性もあると思っています。
理由は次のとおり。
- The Mergeによるトークン設計の変更
- ステーキングによる売り圧減少
- 企業が買い始めるかもしれない可能性
順に解説します。
The Mergeによるトークン設計の変更
Merge前まではETHの新規発行は、メインネットの「マイニング報酬(13,000 ETH / 日)」と「ビーコンチェーンのステーキング報酬(1,600 ETH / 日)」から発生していました。
合計で14,600 ETH / 日ほど発行されていました。
Mergeにより PoW → PoS に完全移行したことで、マイニング報酬(13,000 ETH / 日)が「0 / 日」になりました。
現在はETHの新規発行量はステーキング報酬(1,600 ETH / 日)のみです。
Merge前とくらべると、およそ90%減少しました。
トリプル半減期ともいわれ、ビットコインの半減期が「3回分」きたのと同じくらいインパクトがあります。
ほかにETHは、取引手数料の一部がバーンされる機能があります。
「新規発行量の減少」と「バーンによる機能」。この2つから、ETHのトークン設計はデフレトークンに近づきました。
Merge後のETHの「供給量の変化」や「バーンされた枚数」などは、以下のサイトで確認できます。
ステーキングによる売り圧減少
ETHのバリデーターになろうと思ったら、「32 ETH」ステーキングする必要があります。
ステーキング中はETHは売れません。
その分、売り圧減少につながります。
※ ただしETHが多くステーキングされるほど、PoS報酬のETHの発行も多くなります。
企業が買い始めるかもしれない可能性
今まで企業はビットコインは買っても、イーサリアムを買うことをしませんでした。
その理由としては、イーサリアムの時価総額がまだ低かったことと、PoWによる消費電力がネックになっていたからだと考えています。
PoSになったことで、イーサリアムの消費電力は99%以上削減されました。
また、イーサリアム企業連合なるものがあります。
イーサリアムは、ビジネスと相性のいいプロジェクト。
消費電力の問題が解決した今、企業がイーサリアムを買い始めても不思議ではないと思っています。
イーサリアムの買い方
イーサリアムは国内の仮想通貨取引所で買えます。
国内の仮想通貨取引所は、「ビットフライヤー」と「コインチェック」がおすすめ。
どちらも国内大手の取引所です。
仮想通貨取引所は、2つ口座をもっている方が便利です。
仮想通貨取引所を2つ開設するメリット
- メンテナンスなどで、一時的に取引所がつかえなくなる可能性がある
- 取引所ごとに仮想通貨の価格差がある
- それぞれの取引所に、メリットとデメリットがある
口座開設の手続きは、10分もかかりません。
下記の記事にまとめているので、サクッとつくってしまいましょう。
まとめ
以上、イーサリアムのアップデートまとめでした。
- 「The Merge」によって、PoW → PoS に移行した
- 今後予定されているアップデートは、「The Surge」「The Verge」「The Purge」「The Splurge」の4つ
- イーサリアムは今後、「トークン設計の変更」「売り圧減少」「企業が買い出す可能性」といった理由から、価格が上がる可能性がある
イーサリアムの過去のアップデートを見ると、イーサリアムがいかに慎重に開発されてきたかわかります。
今後のアップデートについても、具体的な計画が公開されています。
ヴィタリックは「イーサリアムの開発が100%まで完了すると、分散性を維持しながら秒間100,000のトランザクションを実現するだろう」といっています。
世の中には、星の数ほどおおくのプロジェクトがあります。しかし、
- 分散性
- 拡張性
- 持続可能性
これら全てを兼ね備えたプロジェクトは、いまだ存在しません。
全てが実現された時、イーサリアムは世界を変えるかもしれません。
イーサリアムについては、下記の記事でもくわしく解説しています。よかったらどうぞ。