DeFiでできることを知りたい。
メリットとデメリットも知りたい。
DeFiの将来性はどうなの?
このような悩みに、お答えします。
仮想通貨を軸に、生活しています。
今までの投資経験とリサーチスキルをいかして、記事をまとめてみました。
よかったら参考にしてみてください。
仮想通貨のDeFiとは?
DeFiとは「Decentralized Finance」の略。直訳すると「分散型金融」になります。
従来の銀行のような金融システムは、「中央集権型金融」と呼ばれています。「中央集権型」とは、1箇所にお金を集めて管理・運用している状態のことです。
中央集権型に対して、お金を1箇所に集めない金融システムを「分散型金融」といいます。
もう少し深ぼりすると・・・
DeFiはブロックチェーン、そしてその上で動くスマートコントラクト(プログラムにより自動化された仕組み)によって実現されました。
1年後に自分のウォレットにある「1ETH」を、Aさんに支払う。
▶︎ イーサリアムのブロックチェーン上に、こうしたプログラムをあらかじめ書き込む
▶︎ 1年後、自動的に自分のウォレットからAさんに「1ETH」支払われる
ブロックチェーンにスマートコントラクトを実装することで、スマートコントラクト上の取引記録はすべて、ブロックチェーンに記録されていきます。
ブロックチェーンに記録を書き込む人たちのことをマイナーといい、世界中に存在しています。
DeFiの記録はブロックチェーンに記録され、ブロックチェーンの記録は世界中に散らばるマイナーたちのパソコンで管理されています。
「世界中に散らばるようなかたちで管理されている」=「分散的に管理されている」ので、分散型金融となります。
DeFiを展開できるブロックチェーンで代表的なものは、イーサリアムチェーンです。
仮想通貨のイーサリアムです。
イーサリアムチェーンのほかにも、DeFiを展開できるブロックチェーンは数多くあります。
- BNB chain
- Solana chain
- Avalanche chain
- Polygon chain
- Fantom chain
- Harmony chain など
すべてスマートコントラクトを実装してます。それぞれのブロックチェーンごとに、特徴があります。
DeFiの歴史
DeFiの最初のプロジェクトは、2017年ごろに誕生したDEXといわれています。
DeFiという言葉自体は、2018年にイーサリアムの開発者や起業家の人たちの間で、使われるようになりました。
2018年〜2019年には、DEX以外にも複雑なプロトコルのDeFiが誕生しました。
- Compound:分散型の仮想通貨レンディングサービス
- Betoken:だれでも参加可能な分散型ヘッジファンド
- Fulcrum:信用取引が可能になるプラットフォーム
- TokenSets:自動でポートフォリオのリバランスを実行
- Opyn:オプション取引が行える分散型取引所
2018年11月には、現在一番人気のあるDeFiのUni swapも誕生しています。
2020年〜2021年にかけて、DeFiはバブルをむかえます。
きっかけとなったのは、DeFiプロジェクトであるCompoundが、ユーザーに運営方針の決定権をあたえるためのトークンを配布し始めたことです。
もともと無料で配布されたガバナンストークンでしたが、仮想通貨バブルの市況とあいまって、「期待値以上」の高価格がつきはじめました。
投資家たちの間で話題になり、ほかのDeFiプロジェクトもこぞって、それぞれのガバナンストークンを発行し始めます。
DeFiは一台ムーブメントを引きおこしました。
今でもさまざまなDeFiプロジェクトが誕生し、着実に進化を続けています。
DeFiでできること
では実際に、DeFiでどんなことができるのか?
代表的なもので、2つの種類のDeFiがあります。
- DEX
- レンディング
一つずつ、解説していきます。
DEX
DEXは自分が保有している仮想通貨を、別のほしい仮想通貨に交換するときに利用します。
DEXは出始めの頃、「流動性の低さ」が問題で普及しませんでした。
「流動性が低い」とは、取あつかいできる仮想通貨の種類が少なく、取引が成立しにくい状態だったということです。
しかしここで、Poolという仕組みが取り入れられます。
- DEXのユーザーはPoolという場所に、イーサリアムなどの仮想通貨をあずけることができます。
これを「流動性を提供する」といいます。 - 仮想通貨を預けたユーザーは、対価として「報酬」がもらえます。
流動性を提供することで報酬がもらえることを、流動性マイニングといいます。 - DEX上の取引には、Poolにためられた仮想通貨から使用されます。
- Poolに仮想通貨がたまればたまるほど、取り扱える仮想通貨の種類が増えて、取引がしやすい状態になります。
Poolの仕組みにより、DEXは従来の中央集権型の取引所と同じくらい使いやすくなり、一気に普及しました。
レンディング
DeFiのレンディングは、「組織」を介していません。
なので、銀行のように人件費やシステム代などの「経費」がかかりません。
経費がかからないので、レンディングで仮想通貨を貸す側は、その分「高い金利」をもらうことができます。
借りる側も「個人情報」や「クレジットカードの信用情報」がなくても、イーサリアムなどの仮想通貨を担保に、資金を調達できるメリットがあります。
このようにDEXの流動性マイニングや、レンディングに仮想通貨を貸して報酬をもらう運用方法をイールドファーミングといいます。
イールドは「利回り」、ファームは「耕す」を意味しています。
報酬は「プロジェクトの手数料」や「レンディングの利息」から、まかなわれています。
DeFiのメリット
DeFiのメリットには、次のようなものがあります。
- 手数料が安い
- 処理速度が速い
- 透明性が高い
- 誰でも利用できる
- 報酬が高い
順番に、解説します。
手数料が安い
銀行などの従来の金融システムは、「組織」として運営されています。運営側は社員たちの給料やシステム代などに、多くの「経費」を用意しなければいけません。
経費はどこから用意されているかというと、一部は私たちユーザー側が支払う「手数料」です。
一方でDeFiは、サービス自体「ただのプログラム」です。人件費やシステム代などの経費は、それほど多くかかりません。
経費がかからない分、私たちは「格安の手数料」でDeFiを利用することができます。
処理速度が速い
銀行などの場合、国外に送金しようとすると手続きに手間どったり、送金に時間がかかったりします。また、高めの手数料がかかったりします。
銀行が「組織」だから、起こる問題です。
DeFiは「組織」を介しません。インターネット空間なので、「国の壁」を一瞬で超えます。
ダイレクトにユーザー同士が取引でするので、リアルタイムで取引が完了します。
透明性が高い
DeFiの取引履歴は、すべてブロックチェーン上に記録されていきます。
ブロックチェーン上の記録は、インターネット上で「誰でも」見ることができます。
ブロックチェーンの分散的な性質により、DeFiのデータは「不正」や「改ざん」が困難なシステムになっています。
DeFiは銀行にくらべて、透明性が高いといえます。
誰でも利用できる
銀行口座を所持していない人は、世界中で「約17億人」と言われています。
国の貧困や差別が理由です。
一方で、銀行口座をもっていない17億人のうち、「3分の2」は携帯電話を持っているといわれています。
DeFiは身分証明を必要とせず、インターネットにさえ接続できれば世界中の誰でも利用できます。
口座を所持できない人たちにとって、大きな希望となるかもしれません。
報酬が高い
イールドファーミングでもらえる「報酬」は、銀行の「年利」より断然高い傾向にあります。
DeFiは「組織」を介していないからです。
銀行より経費がかからない分、金利としてもらえる報酬は高くなります。
- 日本のメガバンクの年利:
だいたい「0.002%」 - DeFiの年利:
プロジェクトや時期によって全然変わってくるので一概には言えませんが、「数十%」は当たり前
DeFiのデメリット
DeFiのデメリットには、次のようなものがあります。
- トラブルが起きても自己責任
- スケーラビリティ問題
- 政府の規制
- 価格のボラティリティが激しい
1つずつ、解説していきます。
トラブルが起きても自己責任
銀行などの組織は、組織が責任を持ってシステムを管理をしています。トラブルが起こった場合は、「組織の責任」になります。
そのため銀行には、何かしらの「補償制度」があります。
一方でDeFiは、プログラムで制御された取引です。トラブルが起こった場合は、「自己責任」になるケースが多いです。
例えばどんなトラブルがあるのか、3つほど紹介します。
ゴックスといわれます。仮想通貨をまちがったアドレスに送ると、取り戻せなくなります。
DeFiマーケットは法整備がされておらず、詐欺プロジェクトも多いです。「仮想通貨を預けていたら、プロジェクト側と連絡がとれなくなり、資金を持ち逃げされた」という事例もあります。
DeFiは非常に複雑なプロトコルです。プロトコルが複雑になればなるほど、「セキュリティーホール」ができてしまいます。セキュリティホールをついたハッキング事例が存在します。
実際はどうなの・・?
DeFiのデメリットをあげてきました。
とはいえ、歴史も実績もある「大手のDeFiプロジェクト」は、セキュリティが高く資金力もあります。なので、それなりに安心感はもてます。
DeFiで運用するなら、「Uni swap」や「Pancake swap」のような、ユーザー数も多く実績のあるプロジェクトで運用することをオススメします。
スケーラビリティ問題
現在イーサリアムチェーンは、スケーラビリティ問題に直面しています。
特にイーサリアムチェーンの手数料は、処理を一回とおすだけで「数千円」かかったりします。(2023年1月時点)
DeFiのメリットに「手数料が安い」ことをあげましたが、イーサリアムチェーンのDeFiにかぎっては「手数料が激高」な状況です。
とはいえ、このスケーラビリティ問題は「イーサリアムのアップデート」で、解決すると予想されています。
現在、アップデート中です。
イーサリアムのアップデートが全て成功すれば、手数料も格段に安くなるでしょう。
政府の規制
DeFiは新しい分野なので、しっかりした法整備がされていません。
本人確認を必要としないので、「マネーロンダリング」や「テロ資金」の温床になってしまうのではないか、といった意見もあります。
こういった理由から、政府の動向しだいで今後DeFiは、規制されてしまう可能性もあります。
柔軟に対応するためにも、つねに最新の情報をキャッチアップしていく必要があります。
値動き(ボラティリティ)が激しい
DeFiには、プロジェクトが独自に発行する「独自トークン」があります。(Uni swapでいうところの「UNIトークン」)
この独自トークンが、DeFiの報酬として支払われたりします。
DeFiの独自トークンは「ビットコイン」や「イーサリアム」にくらべて流動性が低く、「値動き(ボラティリティ)」が一段と激しいです。
DeFiの具体例
実際にあるDeFiプロジェクトを、紹介します。
DEX
ユニスワップ
- 世界で一番使われているDeFi(2022年7月10日時点)
- イーサリアムチェーン上に、展開されている
- 独自トークンは「UNI」
- 仮想通貨の交換や、流動性マイニングができる
パンケーキスワップ
- BNBチェーン上に、展開されている
- 手数料がイーサリアムチェーンより断然やすい
- 独自トークンは「CAKE」
- 仮想通貨の交換や、流動性マイニングができる
レンディング
Compound
- イーサリアムチェーン上に、展開されている
- 仮想通貨の貸し借りができる
- 独自トークンは「COMP」
Aave
- イーサリアムチェーン上に、展開されている
- 仮想通貨の貸し借りができる
- 独自トークンは「AAVE」
- Compoundと違う点は、金利の種類を選べるところ
- Compoundは「変動金利」だが、Aaveは「変動金利」と「固定金利」が選べる
DeFiの中でも、大手のプロジェクトを選びました。
よかったら利用してみてください。
DeFiの将来性
DeFiは誕生して、まだまだ歴史のあさい分野です。初心者が利用するには少々むずかしく、スケーラビリティ問題などの課題も抱えています。
しかし、仮想通貨の普及やイーサリアムのアップデートにともない、今以上に使いやすくなっていくと予想されています。
DeFiをうまく活用したら、次のようなサービスが生まれるかもしれません。
事故が発生した場合、「AI」で事故の映像や音声を解析し、「スマートコントラクト」によって適切な保険金が自動で支払われるサービス
ローンが返済されない場合、「スマートコントラクト」によって車の使用を自動でロックし、自動で所有権を移転させるサービス
DeFiは私たちの生活を、より安全で便利にしていくでしょう。
まとめ
以上、DeFiの解説でした。
- DeFiとは組織を介さない、プログラムだけで回る金融システム
- 分散型の取引所
- 分散型のレンディングサービス
- イールドファーミング
代表的なDeFiであるパンケーキスワップについて、下記の記事にまとめています。
次世代の金融システムが、世界をどう変えていくか楽しみです。