イーサリアムの過去〜今後予定されているアップデートを完全解説

イーサリアムの歴史を知りたい!
イーサリアムの今後のアップデートが気になる。
イーサリアムの価格は上がるの?

このような悩みにお答えします。

仮想通貨を軸に、生活しています。
今までの投資経験とリサーチスキルをいかして、記事をまとめてみました。

よかったら参考にしてみてください。

目次

イーサリアムとは?

イーサリアムとはスマートコントラクトの機能を実装した、分散型アプリケーションのプラットフォームです。

スマートコントラクトとは、あらかじめ設定されたルール(契約)にしたがって、自動的に実行されるプログラムのこと。スマートは「自動的な」、コントラクトは「契約」という意味です。

分散型アプリケーションとは、「管理者のいないアプリケーション」のこと。

ビットコインが「管理者のいない通貨」だったのに対し、イーサリアムは「管理者のいないアプリケーションのプラットフォーム」ということになります

イーサリアムはヴィタリック・ブテリン氏によって考案されました。

スマートコントラクトが実装されているので、イーサリアムチェーン上でDeFiNFTを展開できます。

DeFiとはイーサリアムチェーン上で展開される、分散型の金融系アプリケーションのこと。次世代の金融システムとして注目されています。

NFTとは、デジタルデータに唯一無二の価値がついたもの。NFTのベースもブロックチェーンです。

スマートコントラクトのデータは、全てブロックチェーン上に記録されるので、コピーや改ざんが難しくなっています。

今回はイーサリアムのアップデートに焦点をあてます。

イーサリアムの過去のアップデート

イーサリアムはローンチ当初から、いくつかの大型アップデートを視野に入れて、開発されてきました。

現在、イーサリアムは、「ガス代の高騰」や「処理速度の低下」といった、スケーラビリティ問題に悩まされています。

スケーラビリティ問題は、大型アップデートが全て完了することで、解決すると言われています。

イーサリアムは過去に4回、主要な大型アップデートが実行されてきました。

それぞれのアップデートの名称は、以下のとおり。

  • フロンティア
  • ホームステッド
  • メトロポリス
  • セレニティ

イーサリアムの誕生の歴史と一緒に解説します。

2013年11月27日「ホワイトペーパーの発表」

  • ヴィタリックによるイーサリアムの「ホワイトペーパー」の発表
  • 当時ヴィタリックは、19歳の大学生

2014年4月1日「イエローペーパーの発表」

  • ギャビンウッド博士による、イーサリアムのスマートコントラクトを定義した「イエローペーパー」の発表
  • ギャビン博士はポルカドットの創始者

2014年7月22日「イーサリアムの販売開始」

  • 仮想通貨イーサリアムの販売が開始

2015年7月30日「フロンティア」

  • フロンティアは「未開拓地」という意味
  • 実験段階のリリース
  • マイニングやアドレス間での資金移動がスタート
  • ブロックチェーンへの記録の機能は、まだ実装されていない

2016年3月14日「ホームステッド」

  • ホームステッドとは「開拓地」という意味
  • プラットフォームとして、イーサリアムが本格的に始動

2017年「メトロポリス」

  • メトロポリスは「都市」という意味
  • 第1弾の「ビザンチウム」と、第2弾の「コンスタンティノープル」に分けられる

2017年10月16日「ビザンチウム」

  • マイニングの難易度や報酬の調整 → 決済時間の短縮化
  • プライバシー保護の強化

2019年2月28日「コンスタンティノープル」

  • コストの削減、処理速度の調整
  • 次のアップデート「セレニティ」の PoW → PoS に移行する準備段階

2020年「セレニティ」

  • セレニティは「安定」という意味
  • セレニティはアップデートの内容が多いことから、「フェーズ0」「フェーズ1」「フェーズ1.5」「フェーズ2.0」の、さらに4段階に分かれている

2020年12月1日「フェーズ0」※ 実施済み

  • PoSで中心となるブロックチェーン、ビーコンチェーンの実装
  • 最初はPoWと並行して稼働

2021年予定「フェーズ1」※ 未実施

  • シャードチェーンの実装

シャードチェーンとは、データを分割して、トランザクションを並列処理するための複数のブロックチェーンのこと。

2021年予定「フェーズ1.5」※ PoSへの移行だけ実施

  • PoSへの移行
  • シャードチェーンのメインネット稼働

2021年予定「フェーズ2.0」※ 未実施

  • シャードチェーンの正式稼働

2022年9月6日「The Merge」

  • The Mergeとは「統合」という意味
  • PoWのチェーンと、PoSのチェーンを統合するアップデート
  • イーサリアムの稼働にかかる消費電力が、99%以上削減される
  • 第1フェーズ「ベラトリックス」と第2フェーズ「パリ」から構成される

第1フェーズ「ベラトリックス」

  • ビーコンチェーンを元のイーサリアムチェーンに統合
  • ブロック生成ができるようになる

第2フェーズ「パリ」

  • PoWが終了
  • 完全にPoS版のイーサリアムチェーンが稼働

※ The Mergeはセレニティの「フェーズ1.5」にあたります。
※ シャードチェーンはまだ実装されていないなど、各「フェーズ」のアップデートの内容や時期が変更されています。

「The Mergeが完了した時点で、イーサリアムはおよそ55%の進捗である」とヴィタリックは言っています。

イーサリアムの予定されているアップデート

イーサリアムの2023年以降のロードマップは、

  • The Surge
  • The Verge
  • The Purge
  • The Splurge

以上、4つのアップデートが予定されています。

イーサリアムのアップデートのフローチャート
https://twitter.com/milesdeutscher/status/1550315295402668032?s=20&t=PXRjjC3Q0VS4K781LYF5yQ より引用

1つずつ理由とともに、解説します。

The Surge

「The Surge」はデータの処理方法のアップグレードです。

2023年から段階的に実施されます。

具体的には、プロトダンクシャーディングが実装されさます。

プロトダンクシャーディングとは、ロールアップシャーディングを組合せたものです。

「ロールアップ」と「シャーディング」について、解説します。

ロールアップ

ロールアップとは、レイヤー1のセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をレイヤー1の外部で処理する技術です。

メインチェーン(レイヤー1)の外部で、トランザクション処理をするレイヤー2の技術になります。

レイヤー1外で処理されたトランザクションのデータを、クルクルっとひとまとめにして、レイヤー1に提出する仕組みから、そう言われています。

ひとまとめにしているので、レイヤー1でのデータ保存のスペースも少なくて済みます。

ロールアップの手順は、

  1. レイヤー1の外部でトランザクションを実行
  2. ①のトランザクションデータを抽出、そして圧縮
  3. ②で圧縮されたトランザクションデータを、ひとまとめにしてレイヤー1へ提出
  4. レイヤー1に実装されているスマートコントラクトで、提出されたデータが正しいかどうか検証
  5. 正しければレイヤー1のブロックに取り込まれる

例:友達とランチをした時の会計
一人一人別々にレジで会計するかわりに、一人が全員分のお金を集めて、まとめて支払うようなもの。一人一人相手にするより、お店側の手間も少なくなります。

シャードチェーン

シャードチェーンとは、データを分割して、トランザクションを並列処理するための複数のブロックチェーンのこと。シャードチェーンでトランザクション処理をすることを、シャーディングと言います。

プロトダンクシャーディングが実装されると、中央集権的なシステムにたよらず、分散性を維持したまま高度なスケーラビリティを実現することができます。

The Surgeの段階で、処理スピードが速くなり、ガス代が安くなる予定です

The Verge

「The Verge」はデータの保管方法のアップグレードです。

イーサリアムは「32 ETH」もっていれば、誰でもバリデーターになれる「分散的な世界」を目指しています。

PoSで承認することをバリデートと呼び、バリデートをするユーザーを「バリデーター」と呼びます。

多くの人がバリデーターになるには、ノードの軽量化が必須です。

今はMerkle treeという、データ構造をとっています。

  • Merkle treeとは、データを格納するツリー構造のこと
  • どんなに大きなデータ・どんなに多くのデータを入力しても、一定のデータ長になるハッシュ関数が利用されている
https://cointelegraph.com/explained/merkle-trees-vs-verkle-trees-explained より引用

これをVerkle Treeに置きかえると、ノードが軽量化されます。

  • Verkle Treeとは、Merkle treeのアップグレード版
  • Merkle treeより、はるかに大量のデータを保管することができる
https://cointelegraph.com/explained/merkle-trees-vs-verkle-trees-explained より引用

Verkle Treeにアップグレードされることで、具体的にWtness dataが圧縮されます。

Witness Dateとは、ブロックの生成時、バリデーターがトランザクションの有効性を確認するためのデータのこと。

Witness Dateが圧縮されることで、効率よくデータが保管されて、ノードサイズを縮小することにつながります。

Merkle treeとVerkle Treeについては、下記の記事が参考になります。英語なので、DeepLで翻訳しながらどうぞ。

参考記事

The Purge

「The Purge」は過去の取引データの圧縮です。

イーサリアムチェーンに記録されるデータは、取引されるごとに増えていきます。

このままデータが肥大化しながら、世界中の人がノード運営に参加するのは、少し無理があります。

解決策として、「ノードは過去のデータを保持しなくてもいい」というアイデアがあります(EIP-4444)。
※ 最低でも過去1年間のデータを保持すれば、バリデーターノードとして機能するようになります。

これにより過去の取引データが圧縮されます。多くの人がノード運営に参加しやすくなります。

ただし、まだアイデア段階。詳しい実装方法など、決まっていません。

The Splurge

「The Splurge」は上記3つのアップデートに含まれない、いくつかの重要なアップデートです。

それぞれアップデートの内容も、時期もバラバラです。

  • スマートコントラクトウォレッ トをプロトコルレベルで実装
  • レイヤー2を拡張したレイヤー3の実装案

などがあります。

以上、イーサリアムにはあと4つの、アップデートが予定されています。

イーサリアムのロードマップはこれまでも変更が多かったので、予定どおり進むとは限りません。今後の動向を要チェックです。

イーサリアムの価格予想

shiii miiはイーサリアムの価格は、今後上がっていくと思っています。

ビットコインの時価総額を、超える可能性もあると思っています。

理由は次のとおり。

  • The Mergeによるトークン設計の変更
  • ステーキングによる売り圧減少
  • 企業が買い始めるかもしれない可能性

順に解説します。

The Mergeによるトークン設計の変更

Merge前まではETHの新規発行は、メインネットの「マイニング報酬(13,000 ETH / 日)」と「ビーコンチェーンのステーキング報酬(1,600 ETH / 日)」から発生していました。

合計で14,600 ETH / 日ほど発行されていました。

Mergeにより PoW → PoS に完全移行したことで、マイニング報酬(13,000 ETH / 日)が「0 / 日」になりました。

現在はETHの新規発行量はステーキング報酬(1,600 ETH / 日)のみです。

Merge前とくらべると、およそ90%減少しました。

トリプル半減期ともいわれ、ビットコインの半減期が「3回分」きたのと同じくらいインパクトがあります。

ほかにETHは、取引手数料の一部がバーンされる機能があります。

バーンとは、仮想通貨が焼却されてこの世からなくなること。結果的に、流通量が減っていきます。

「新規発行量の減少」と「バーンによる機能」。この2つから、ETHのトークン設計はデフレトークンに近づきました。

デフレトークンとは、時間とともに供給量が減少していくトークンです。メリットとして、価格が上がりやすくなります。

Merge後のETHの「供給量の変化」や「バーンされた枚数」などは、以下のサイトで確認できます。

ステーキングによる売り圧減少

ETHのバリデーターになろうと思ったら、「32 ETH」ステーキングする必要があります。

ステーキング中はETHは売れません。

その分、売り圧減少につながります。

※ ただしETHが多くステーキングされるほど、PoS報酬のETHの発行も多くなります。

企業が買い始めるかもしれない可能性

今まで企業はビットコインは買っても、イーサリアムを買うことをしませんでした。

その理由としては、イーサリアムの時価総額がまだ低かったことと、PoWによる消費電力がネックになっていたからだと考えています。

PoSになったことで、イーサリアムの消費電力は99%以上削減されました。

また、イーサリアム企業連合なるものがあります。

イーサリアム企業連合とは、イーサリアムをビジネス向けに活用することを目的に設立された組織。マイクロソフト・インテル・トヨタ・NTTなど、世界中の名だたる企業が加盟しています。

公式サイト

イーサリアムは、ビジネスと相性のいいプロジェクト。

消費電力の問題が解決した今、企業がイーサリアムを買い始めても不思議ではないと思っています。

イーサリアムの買い方

イーサリアムは国内の仮想通貨取引所で買えます。

国内の仮想通貨取引所は、「ビットフライヤー」と「コインチェック」がおすすめ。
どちらも国内大手の取引所です。

仮想通貨取引所は、2つ口座をもっている方が便利です。

仮想通貨取引所を2つ開設するメリット

  • メンテナンスなどで、一時的に取引所がつかえなくなる可能性がある
  • 取引所ごとに仮想通貨の価格差がある
  • それぞれの取引所に、メリットとデメリットがある

口座開設の手続きは、10分もかかりません。
下記の記事にまとめているので、サクッとつくってしまいましょう。

ビットフライヤーの口座開設
コインチェックの口座開設

まとめ

以上、イーサリアムのアップデートまとめでした。

今回のまとめ
  • 「The Merge」によって、PoW → PoS に移行した
  • 今後予定されているアップデートは、「The Surge」「The Verge」「The Purge」「The Splurge」の4つ
  • イーサリアムは今後、「トークン設計の変更」「売り圧減少」「企業が買い出す可能性」といった理由から、価格が上がる可能性がある

イーサリアムの過去のアップデートを見ると、イーサリアムがいかに慎重に開発されてきたかわかります。
今後のアップデートについても、具体的な計画が公開されています。

ヴィタリックは「イーサリアムの開発が100%まで完了すると、分散性を維持しながら秒間100,000のトランザクションを実現するだろう」といっています。

世の中には、星の数ほどおおくのプロジェクトがあります。しかし、

  • 分散性
  • 拡張性
  • 持続可能性

これら全てを兼ね備えたプロジェクトは、いまだ存在しません。

全てが実現された時、イーサリアムは世界を変えるかもしれません。

イーサリアムについては、下記の記事でもくわしく解説しています。よかったらどうぞ。

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